音楽葬



    いま考える、自分の葬儀。その日は、いつか来る…、だから、いま、音楽を聴け
                   「幕を引け。喜劇は終わった」 フランスの舞台作家、モリエールの最期の言葉だと伝えられています。

  男の、女の人生が響く音楽葬。「幕を引け、喜劇は終わった」そのエピローグは…音楽で

   人生を喜劇、と喝破する作家の心。その切れ味は、人をある幸せに導きます。

遺影は
自分で選び

奏でる音楽と
流す映像は
自分で決める

祭壇の花の色
白と限らない


それが私の
スタイルだから
忌野清志郎の逝った夜、愛する妻が…

5月2日。土曜日。平成21年…。

清志郎の命日は、私の妻の命日ともなり、私の妻の命日は、清志郎の命日であり……。
何を書いているのか分からない。
清志郎は、妻を連れて冥界へ行ってしまった……。

私が清志郎、妻が矢野顕子で歌った「ひとつだけ」を、私は、妻の葬式で流した。

「悲しい気分の時も わたしのこと
 すぐに呼び出してほしいの ねぇ おねがい」

妻が矢野顕子で私が清志郎で、私が清志郎で妻が矢野顕子で……。
何を書いていいのか分からない。

5月9日。妻の葬式の4日後。
清志郎は、音楽葬で見送られたと新聞に出ていた。

妻は、きっとそこにいた。
妻が矢野顕子、清志郎は清志郎。

私は、わたしひとり……。ひとりだけ…。

妻よ。

冥界から私を呼び出してほしい。
ねえ、おねがい……

    

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